土地活用の方法のひとつとして”コインパーキング”という選択肢があります。

土地は、活用せずに所有していると固定資産税や管理費がかかってしまうものです。ですが、広さがない土地や、変形地などの場合は「どうしようもない」からとそのままになっているということも珍しくありません。

そのような土地の活用方法としてあげられるのがコインパーキングです。

今回は、コインパーキングの初期費用など、始める前に知っておきたい基礎知識をご紹介していきます。

コインパーキングの経営方式と初期投資

土地をコインパーキングにして有効利用したいという場合には、大きくわけて3つの経営方式があります。

• 自営方式
• 管理委託方式
• 一括借り上げ方式

です。

それぞれにメリットとデメリットがありますが、この記事では、自営方式や管理委託方式でコインパーキングを経営する場合に必要となる初期費用について解説していきます。

 コインパーキングの初期費用はどのくらい?

自分でコインパーキングに設備を整える場合の費用は

• 整地費用
• 機械設置
• 看板などの費用

です。

では、ひとつずつ、内容を見ていきましょう。

大切な土地の下準備！整地と舗装の費用はどのくらい?

まず、整地費用ですが、まずは、車を駐車できるように土地を平たく整地して舗装をしなければなりません

駐車場スペースとなる土地を平坦にし、そして、車の重さを分散させるための砕石工事が必要です。整地費用は土地の形状によって大きく異なりますが、1㎡あたり1,200円～1,500円が相場です。ただし、傾斜地等の場合はさらに費用がかかりますし、木などの植物が生えている場合は、除去費用がかかります。土地に物が置いてある場合には、除去費用や処分費用も必要です。

さらに、駐車場スペースは土や砂利ではなくアスファルトなどで舗装する必要があります。舗装することで、強度も上げられますし、雨の日でも水たまりができにくく車も汚れにくい駐車場スペースが完成しますし、全体の見た目もよくなります。ついつい、あまりコストをかけたくないと思ってしまいますが、整地と舗装は基本ですので、しっかりと手を入れておきましょう。

もちろん、舗装はコンクリートでもいいのですが、アスファルトの方が費用が安く排水性に優れているというメリットがあります。

そして、舗装をしたら、ラインを引いて駐車場としての基本の形をまずは整える必要があります。

アスファルト舗装の費用の相場は1㎡あたり約5,000円で、コンクリート舗装は1㎡あたり約10,000円～15,000円となっています。そして、ラインを引く場合の相場は5㎡あたり約5,000円程度とされています。

また、状況に応じて、駐車場の周囲をぐるりと囲むフェンスが必要になることもあります。100メートルのフェンスの設置費用の相場は、フェンスの種類や施工方法によってかなり幅かありますが、一般的なフェンスで150000円から200000円程度です。

コインパーキングの精算機やロック版なども必要

次に、コインパーキングには、駐車料金を精算する精算機や、駐車した車の下にあるロック板が必要です。コインパーキングの必須アイテムの精算機は1台あたり40～50万円程度、そして、駐車場のロック版は1台10万円が相場です。

最後に、看板や照明の設置もしなければなりません。コインパーキングの料金を記載した看板と、照明は欠かせないものです。もちろん、設置費用は広さにもよりますが、最低でも20万円程度は必要と考えておきましょう。他にも、監視カメラは1万円程度ですが、防犯のためにも初期の時点で複数台導入しておくとよさそうです。

そして、機械の代金とは別にこれらの設備を設置する費用として、50万円程度の予算が必要です。

100坪の土地をコインパーキングにするには450万円程度かかる

ここまでご紹介した費用をまとめると

舗装費用	1㎡あたり約5,000円
整地費用	1㎡あたり1,200円～1,500円
精算機	40～50万円/1台
ロック板	10万円/1台
フェンス	100メートルあたり150000円～
看板・照明	20万円～
監視カメラ	1万円〜
設置工事費	50万円～

となります。

もちろん、ロック板や照明、監視カメラやフェンスなどの総額は、駐車場の広さによって大きく変動します。広い土地であればあるほど、かかる費用は大きくなります。

では、一例として概算を計算してみましょう。

例えば100坪の土地をコインパーキングにする場合は

• 整地費用=49万5千円
• ロック板10台=100万円
• 精算機1台=50万円
• 舗装費用=165万円（1㎡あたり5,000円）
• ライン引き=15万円
• 照明と看板=20万円
• 設置費用=50万円

で、およそ450万円という計算になります。ここにフェンスが必要であれば、さらに追加で費用がかかってきます。

長い目で見たときに初期投資の時点でしっかりと手を入れておきたい理由

100坪のコインパーキングを作る概算で450万円かかると言われると「かなりの出費だなぁ」と感じる方は少なくないでしょう。

確かに、できるだけ初期投資は抑えたいところですが、コインパーキングを作る際には駐車場としての立地だけでなく、駐車場スペースとしての見た目や安全性なども重要なポイントとなります。

利用する側の視点に立てば、照明や監視カメラなどはあれば安心な設備ですし、綺麗に舗装をして雨の日でも水たまりができにくい駐車環境を整えておくほうが、長い目で見たときに売り上げに繋がりやすいといえます。

コインパーキングの維持は?

初期の工事が終了しても、運用していく中で維持管理が必要となります。考えられるコストとしては

• 固定資産税
• アスファルトの維持
• 機械のメンテナンス
• 照明の維持管理
• 清掃

などがあげられます。

固定資産税に関しては説明不要かと思いますが、それ以外にも維持管理のコストがかかります。

例えば、舗装した駐車場スペースが経年劣化アスファルトの剥がれなどが生じることがありますが、場合には舗装をし直す必要があります。また、引いたラインが消えてしまうことも考えられます。

そして、精算機やロック板、照明などの機材はメンテナンスが必要ですし、駐車場スペースの清掃費用なども維持管理のコストとして想定しておきましょう。

まとめ

コインパーキングの初期投資は、舗装費用や機材の代金などで数百万円単位の費用が必要です。

初期費用は、土地の状態で大きく変わりますが、整地や舗装に加えて、監視カメラや照明などもしっかりと整えておく方がよさそうです。